発達障害を考える/自閉症の少女は17歳/難しい看護に悩む日々…

スポンサーリンク

自閉症の明菜ちゃんは17歳。難しい看護に悩む日々…

こんにちは。精神科ナースここあんです。

精神科は統合失調症の患者さんは多いのですが自閉症患者さんは意外と少なく明菜ちゃん(仮名)がナース4年目だった私にとって初めての自閉症の患者さんとなりました。現在自閉スペクトラム障害といいますがわかりにくいので自閉症と記します。

明菜ちゃんはおかっぱ頭でお人形さんのようにかわいいのですがコミュニケーションの取り方がとても難しくなかなか仲良くなることが出来ませんでした。

こだわりが強く薬袋の切り方、服の畳み方、手の洗い方、お風呂の入るタイミングなどなど何を取っても彼女のルールがあるのです。

そのルールに反した時にキーキーと甲高い声を出して怒り、職員を叩くこともありました。

単語を発するのみで話が出来ないのでどうしたらいいのだろうかと悩む日々でした。

彼女の興奮は時に照明を壊したり、食事をまき散らしたり、布団を破ったり…うまく話せないためにその行動で何かを訴えていたのでしょう。

でも要求は理解不能なことが多く看護師たちを悩ませました。


自閉症を育てている親御さんもその子の生活パターンに合わせて生活していることと思いますが…数知れない悩みもある事でしょう。

 

発達障害とは…

「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と発達支援法に記されています。

発達障害は種類が多く広範囲の症状なので今回は自閉症にスポットを充てます。

自閉症とは…

1歳を過ぎたころからサインが出始めます。人の目を見ない、指差しをしない、他の子供に関心を示さない、などの様子が伺えます。対人関係に関係したこのような行動は普通の子供はどんどん伸びていくのですが自閉症の子ははっきりとはわかりません。幼稚園や保育園に入ると一人遊びが多く集団行動が苦手など人との関わり方が独特なことで気がつきます。しかし、自分の好きなことや興味のあることは何時間でも熱中する子もいます。初めてのことや決まっていたことの変更が苦手でなじむのに時間がかかってしまいます。
明菜ちゃんはキティちゃんが好きでキティグッズを父親が買ってきてくれるとその時は嬉しそうでした。また、テレビ番組では某ぬいぐるみ劇場が好きで他の患者さんが見ていた番組も勝手に変えてしまったりするので、明菜ちゃん用のテレビを父親が持ってきてくれたのですがそのテレビでは見ることがありませんでした。以前と変わらず病院の共有テレビで某ぬいぐるみ劇場に回して見ています。そこは変化が苦手なところです。しかし有難いことに他患者さんからは「明菜ちゃんだから」と見たいのを我慢してくれて苦情を言う人は少なかったです。17歳という若さの彼女に同病棟の患者さんたちは大人の対応をしてくれていました。

スポンサーリンク

 

自閉症の対応とは…

自閉症の症状で共通するのは独自のこだわりです。独自の習慣を変えることは非常に難しいです。

難しい言葉を使わず話しかけることが大切です。独自のこだわりも認めつつ、少しずつ新しいことに挑戦しながら出来ることを増やしていきます。無理をしない、出来たら誉める、もし笑顔が見られたらそのポイントを覚えておいて、時間を置いてまた声掛けしてみる。コミュニケーションが苦手な自閉症も心地よいと思う瞬間があるはずです。怒れば萎縮してしまい元に戻ってしまします。心地よい瞬間に、少しずつ、慌てず、新しい試みを行なっていくことでわずかでも成長させることが可能です。

 

今後は…

明菜ちゃんのお母さんも精神的病で子育てが出来ません。母親の愛情ある子育てがあれば…と思うことが多々ありました。父親は働かなければならないために、家で子供をみることができませんでした。

今年成人式を迎えた明菜ちゃん。私は病棟異動してしまったので最近の様子はわかりませんが、先日久しぶりに明菜ちゃんが父親と歩いているのを見ました。他の職員が「明菜ちゃん!」と呼び掛けたところ、ニコっと笑ったのには驚きました。あの時はほとんど声掛けに笑うことがなかったからです。

母親の愛を受けられないので退院後はアットホームな施設に入所できるといいなーと思いますが…受け入れ先がないのが現状です。

記事に興味を持っていただけたらクリックお願いします!

人気ブログランキング

無料イラストなら【イラストAC】

無料写真素材なら【写真AC】

 

スポンサーリンク