再生不良性貧血に朗報!/ iPS血小板輸血 臨床研究実施へ
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厚生労働省の専門部会はさまざまな細胞に変化する人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った血液成分「血小板」を難病貧血の患者に輸血する京都大の臨床研究を承諾したというニュースが入ってきました!(2018.9.21)
こんにちはー。医学の進歩によって難病の方の苦しみがなくなっていくことをいつも願っているナースここあんです(^-^)
iPS細胞の再生医療では、①目の病気の臨床研究、②心不全の心筋シート移植する臨床研究、③パーキンソン病患者への神経の細胞を移植する臨床試験(治験)の実施に続き、④再生不良貧血の患者さんに血小板輸血の研究も了承されました。
難病克服への挑戦の機会を与えてくれている様々な細胞に変化するiPS細胞の可能性に期待大です。
また山中伸弥さんがこの研究でノーベル賞を取ったことで世界で注目され、人の命や苦しみを救うための次々と臨床研究実験が始まっていることはとても素晴らしいことです。
しかし再生不良性貧血と聞いて貧血と付いているためにそれほど重症性はあまり感じられない方も多いと思います。私もそうでした.
再生不良性貧血とは…
再生不良性貧血は指定難病60です。血液中の赤血球、白血球、血小板のすべてが減少していく疾患です。この状態を汎血球減少症と呼びます。重症度が低い方は、貧血と血小板減少だけがあり、白血球数は正常値近くに保たれていることもあります。白血球には好中球、リンパ球、単球などがあり、再生不良性貧血で減少するのは好中球です。これら好中球は私たちの身体を細菌から守る重要な働きをしています。これらの血球は骨髄で作られます。骨髄組織は多くの場合、脂肪に置き換わっており、血球が作られていません。その為に貧血症状、感染による発熱、出血などが起こります。
原因として、骨髄中の造血幹細胞が何らかの原因で傷害されて起こる病気です。造血幹細胞とは骨髄中にあって、赤血球、好中球、血小板の基になる未熟な細胞です。赤血球(約120日)、好中球(半日)、血小板(約10日)は骨髄で完成されると血液中に放出され、壊れるまで働きます。健康な人は造血幹細胞から絶えず作り続けられ、壊れた血球分を毎日補っています。再生不良性貧血はその造血幹細胞が何らかの原因で傷害されるため、3種類の血球が補給出来なくなっています。 参考、引用:難病情報センターHPより
つまり簡単に言うと、血液に含まれる赤血球は体内に酸素を運び、好中球(白血球)は細菌を貪食してくれるため退治し、血小板は出血から傷口をふさいでくれるという役割を果たしてくれています。そのため再生不良性貧血に罹患している方は、赤血球の減少で脳、筋肉、心臓などの全身に酸素欠乏を起こし、めまい、頭痛、筋肉がだるかったり、疲れやすくなったりします。胸痛、頻脈、顔色不良も起こします。好中球(白血球)の減少でウィルス感染、肺炎や敗血症のような重症な細菌感染症になりやすくなります。
「血小板」は出血を止める働きをするので、減少により出血しやすくなります。皮膚の点状出血、紫斑や鼻出血、歯肉出血、ひどくなると眼底、脳出血、血尿、下血などが起こります。
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今回の臨床研究はこの止血作用のある「血小板」をiPS細胞から作り、難病貧血患者さんに輸血をするということですね。
将来的にはiPS細胞は献血に代わって不足な血小板の供給源になることを期待されています。
1年以内の輸血を目指すそうです。この病気で苦しんでいる人にはとても期待の持てるニュースです。
まとめ
今回は血小板の研究となりますが、この研究が進んでいくと将来献血を必要としなくなることも考えられますね。
動物を殺さなくてもいいようにミートも作られているようです。既に海外では販売実験が行われているようです。
いろいろな細胞に変化させることが出来るiPS細胞(人工多機能幹細胞)、これからも多くの人の命や苦しみから救うべく研究が発展していくことを望みます。
今、自分には関係ないと思っている人もいつかはお世話になるかもしれないですね。注目してみていきましょう。
そして、今再生不良性貧血で悩み苦しんでいる人には一刻も早くこの研究が完成し、症状がラクになっていくといいですね。
医学の進歩を応援していきましょう。
追記:この記事を書いた2日後、母が「検査結果を聞きに行ったら赤血球と白血球が少なくなる病気らしい」と電話が掛かってきました。まさしく〈再生不良性貧血〉です。以前から貧血とは聞いていましたが。まさか…。本当に他人ごとではないです。母の経過も見ていきたいと思います。
後日ブログ:母に下された血液の病気とは?
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