躁うつ病の症状/リストラで人生を変えられてしまった患者さんの話/人生の黄昏
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躁うつ病の患者さんの話 人生の黄昏…
ナース4年目の看護日記より
夕焼けが大好きな精神科勤務ナースここあんです。
黄昏(たそがれ)って何となく悲しい響きでもあり、憂いも感じる言葉です。
そんな黄昏を感じさせる患者さんの話です。
躁うつ病の患者さんの死…
昨日、担当だった男性患者さんの宮沢さんが亡くなりました。
宮沢さんは典型的な躁鬱病でした。
高校卒業して某会社(地元では有名な会社)に入って一生懸命働いていたんだと思います。
家族を養うために。管理職もやっていたようです。
海外出張も何度も行ったりして。
元気で優しいおじさんという感じです。
しかし、会社とは時に残酷な決断を下します。
リストラです…
長年会社のために時には何かを犠牲にして頑張っていたことでしょう。
会社の駒のようにこき使われて「はい。ご苦労さま」って…
宮沢さんはリストラのショックからか奇妙な行動を取るようになり、うちの病院に入院してきました。
診断名は躁うつ病…
躁(そう)の時はめちゃくちゃおしゃべりになり、うるさいほど大声を出します。
歌も大声で歌ったり…
症状が悪いときには失禁も派手にやってくれました(^^;
しかし鬱(うつ)の時はあの元気が嘘のように布団にもぐってしまいどんなに声を掛けても返事をしません。
本当に別人のように両極端に変わってしまいます。この方は躁と鬱が極端で本当に典型的な躁うつ病でした。
後にも先にも彼ほどの躁うつ病の方に会っていませんので躁うつ病と聞くとこの方が思い出されます。
うちの病院に4年くらい入院していましたが、1週間前に容態が悪化しました。
一昨日までは大きな声で「ねぇここあんさん…」と話しかけていたのに昨日は瞬きもせず、声がけにも何も返事せず。
どうしてしまったの?という感じでした。
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まさか次の日に逝くとは思いませんでした。
直接の死因は肺炎でしたが…。
夜勤帯に亡くなられたので直接、立ち会うことは出来ませんでした。
しかし、私に対しても信頼してくれた患者さんだったので出勤した時、
たった一人息を引き取ったその部屋に行き、お顔を見て声も掛けさせてもらいました。
「お疲れさま、宮沢さん…」
朝になり、奥さんは駆けつけ、突然の急変に驚いていました。
そんな状態のところ私の姿をみると近寄って来てくれて
「ここあんさん、本当にお世話になり有難うございました」と涙ながらに挨拶してくれました。
家族から名前を呼ばれ、感謝の言葉をもらったのはナースになって初めての事でした。
私はきっとこの患者さんを忘れないでしょう。
会社に心を潰され、最後は病気と闘い苦しかった人生だったことを…。
彼を雇用していた会社にも伝えたい気持ちです。
享年59才でした…
次に生まれてくる時は….
人生の黄昏。。。
人生って…この先何が自分の身に起こるかわかりません。
明日は自分にも起こりうるのです。
病は誰にも起こり得る可能性があるからこそ、人には優しく、そして前向きな心を育てていきましょうね。
会社はリストラせざるを得ないなら、早めの対応、その人が次に行きやすい道を考えてほしいですね。
宮沢さんには次に生まれてくるときは病気もせず、幸せな人生を歩んでほしいと心から願います。
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