幻聴・妄想に苦しむ統合失調症のケア/魂に語り掛けよう。。

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統合失調症の症状で苦しむ患者さんと向き合って思うこと…

こんにちは。精神科ナースここあんです。

精神科に勤めて7年目になります。そんなには経歴は長くないのですが統合失調症の患者さんと接していて思うことは沢山あります。ベテランナースさんがたくさんいる中で逆に大事なことが慣れで見えなくなってしまっている方も少なからずいますが、子育てや苦しかったことなどいろんな経験をしてきてからナースになったからこそ、見えてくるものもあります。もちろんここあんは何でもわかる訳でもなく、日々勉強しながら、そしてこのブログに書くことにより、更に勉強が必要だなと思っています。ここあんのブログの内容が正解ではなく間違ったこともあるかもしれません。しかし書くことによって成長していき、読んでくださる皆さんに心からここあんの思いや役立つ話を伝えられたらなぁと思っています。

今回は、先日統合失調症のケアについての研修会があったので共有します

このブログに来訪してくださる方で統合失調症の方の家族、知りあい、お世話をしている方もいるかと思います。

どうケアをしていいのだろうか?」と迷い悩むことも沢山ありますよね。

でも一番苦しいのはご本人です。そのことを考えながらケアをすることがとても大事です(*^^*)b

 

しかし、統合失調症とひとくちに言っても症状は一人ひとり違います。

軽症~重症の人まで病状の幅は広く、一概に今回の内容に当てはまる訳ではないことも承知いただきたいと思います。

研修では難しい言葉もいっぱい出てきたのですが、なるべく分かりやすく書いていきます。

「そうなんだぁ。なるほど」と読んでくださいね。

 

心が不安定になる要因とは…

 

 

それは、脳、性格、環境の3つの要因が大きく関わってきます。

統合失調症はの病気です。発症の原因に関して言えば、性格も関りがあるようです。おとなしい、真面目、几帳面、優しい人が主になりやすいとされています。しかし、それも一概には言えなく患者さんを見ていると、性格は十人十色です。性格なのか、病気なのかその境目がわかりにくい人もいます。

また環境が発症に大きな原因となっているようです。穏やかに暮らしていてある日突然統合失調症になっている人は経歴からは見当たりません。

家庭環境、職場環境、学校での出来事、人間関係(パワハラなどの各ハラスメント、いじめ等)、過酷な労働環境、とてつもなくショックな出来事、など様々なストレスが原因により心が不安定になり統合失調症を発症しています。

同じような過度のストレスが原因で、統合失調症ではなく、うつ病やパニック障害などの精神的病になってしまうこともあります。

しかし、統合失調症はそれよりももっと強く脳にダメージを受けてしまっているため、奇妙な行動を取ってしまいます。

 

主な症状として

陽性症状(脳が興奮している状態、⤴up)として

幻聴・妄想・被害妄想・イライラ・興奮・さまざまな幻覚と、とにかく落ち着いて過ごすことが出来ない状態が続きます。

一番多い症状は幻聴です。多くの患者さんは幻聴に苦しめられています。

特に自分に対して悪口を言われている言葉に苦しみます

主に聴こえてくるのは「お前はダメな奴だ」「監視されているぞ」「臭い」「みんなから嫌われている」「死んだ方がラクだぞ」「死ね」「飛び降りろ」などなど…。

その幻聴の言葉に従ってしまい、頭を壁や地面に打ち付ける人、飛び降りてしまった人、首を吊ってしまった人もいました。

精神科はそんな不幸な結末を迎えさせないためにも普段の行動をきちんとチェックし、病の調子の上がってきた人には注意を払わなければなりません。

 

幻聴へのケア

簡単ではありませんが、統合失調症である本人が幻聴を無視することができるようになることが理想です。

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幻聴が聴こえてきて辛い状況であることには共感が必要です。否定は本人にとって苦しさが増すだけでケアにはなりません。でも、「私には聴こえないんだけどね」とそっと事実を告げてみます。そして「幻聴は無視しても大丈夫だよ」と保証するよという意味合いで話しかけてみてください。傾聴、共感した後でさりげなく話題を変えましょう。何かに集中しているときは幻聴が減ることがあります。聴こえなくなるなど今よりラクな状態になることを学習してもらいます。それにより、日々の生活の充実を高めていきましょう。そして本来の健康的な部分を強め、逆に病的な部分を弱めていくことが何より大切です。

 

 

妄想(思考の異常)へのケア

妄想の世界に入ってしまう患者さんも多いです。妄想と言っても一般の方の恋愛妄想のようなものとは違います。統合失調症の妄想は本来あり得ないことを信じ切っているのです。

例えば、「お腹の中に蛇がいる」「ブリキの缶が体の中に入っている」「あいつが私の悪口を言っている」「私は○○星の宇宙人だ。あんたとは違う」「パソコンで私を電波操作してる」「私は天皇家の血筋だ」「私はこの病院の経営者だ」「銀行の頭取だ」などなど…。

先日、60代の女性患者さんが真剣な表情でナースステーションに来て「○○さん(男性患者)が私のところに来てパンツ見せろって言ってきた。寝ている時にもベッド横に来てる。私の『寝顔がかわいい』とか言ってるけど、嫌だよ。気持ち悪いよ。何とかして!」と。○○さんはどう見てもこの女性患者さんに興味を示しているようには見えません。部屋に入ったという事実もありません。言っていることが妄想としか思えないことを真剣に本当にあったことのように話してきます。

そんな時は「そんなことは○○さんはしませんよ。あなたの妄想でしょ」と言ってしまっては反発を招くだけでその患者さんとの信頼関係も崩れてしまいます。

否定も肯定もせず、私は「次にそんな場面を見たら注意するからね。でもトラブルになってしまうので自分からは○○さんに言わないようにしましょうね」と諭すと分かってもらえたと思ったようで、納得した表情で戻っていきました。しかしあり得る話なら相手側にも話を聞いて妄想なのか現実なのか確認することも必要です。

しかしながらそうは伝えても理解してもらえない方が多いことも確かです。病識のある方(自分の病気を理解している人)は話せばその場ではわかってくれるのですが、病識のない方は自分の考えを通そうと食い下がらない方もいます。長時間に渡って話をしていると、ますます話が絡んでくることもありますので、例えば「10分なら話が出来ます」と時間に区切りをつけて話すことも必要になります。

 

ここあんの思いは…

ここあんは出来る限り、病気が出てなかったころの本来の姿の患者さんを思い浮かべ接しています。

肉体を離れたらきっと正常な心を持った魂があるはず…。

今は統合失調症という病気を持った体に支配されてしまっているだけ…と考えています。

あなたも彼(彼女)の魂の方に語り掛けてみてください。

看護ケアはそこから始まります…

 

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